R6.8.4 ごみの科学
8月4日(日)月見の里学遊館にて、街角かがく倶楽部・袋井の名倉和弘先生を講師にお迎えして「環境課題で自由研究:ごみの科学」講座を開催しました。
【文=中山裕子】
【写真=川畑久美子】
「あなたの家ではどんなゴミを出していますか?」
「プラスチック」、「生ゴミ」、「ダンボール」、「アルミ缶」、「ペットボトル」など、色んな答えが出てきました。
現在、家庭や商店、飲食店などから出されるゴミの大部分は一般ゴミとして、決められた日に収集車によって焼却施設へ運ばれ、燃やされています。
こうして燃やされたゴミはどうなっていくのでしょうか。
新聞紙を例にとって、みんなで考えました。
新聞紙を燃やしたら重さはどうなると思いますか?
燃やした後に残る灰は、元の新聞紙の重さに比べてどうなると思いますか?
実際に新聞紙を燃やして、天秤を使って重さを測りました。
(重さがどうなったか?…答えは秘密です!)
紙を燃やすと重さがどうなるかについて、紙の原料から考えてみます。
昔から紙は木を砕いて繊維にして作られてきました。
紙は植物の繊維があれば作ることができます。
では、植物の繊維はどんなものでしょう。
ここから紙を原子レベルで考えていきます。
紙の原料は3種類の原子が集まってできています。
ものが燃えるとき、原子や分子の世界ではどんなことが起きているのでしょう。
分子の模型を使って考えました。
ものが燃えるということは酸素と結びつくということ
紙の分子模型に酸素分子をくっつけると・・・
原子はなくなることはありません。
では、10kgの紙(新聞紙約1ヶ月半分)を燃やすと、どのくらいの二酸化炭素が出ると思いますか?
10kgより多い?少ない?それとも同じくらい?
燃えてできた二酸化炭素や水は、空気中に出ていって、どうなるでしょう。
植物は二酸化炭素を吸収して、光合成により、酸素を出します。
動物も植物も、生きものは酸素を吸って二酸化炭素を出します。
ゴミを燃やして処理すると、ものすごい量の二酸化炭素が発生するので、温室効果ガスや温暖化が問題になっています。
全世界の焼却炉の約7割が日本にあるそうです。
外国では、土地が広いのでゴミは主に埋め立てられています。
しかし、これも公害問題になっており、多くの都市ではゴミ0宣言をしてゴミを減らし、資源にする努力をしています。
オーストラリアの首都キャンベラやアメリカのサンフランシスコでは、ゴミの約80%を資源にすることに成功しました。
日本では、まだ10〜20%しか資源になっていません。
ゴミを減らすために、あなたができることは何でしょうか?
家族や友達と話し合って考えてみましょう。
そして、どんなに小さいことでも良いので、できることから実践してみよう!